活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

名取栽培状況

2017.07.10

東日本大震災直後にスタートした東北コットンプロジェクトは、3カ所で綿花の栽培をしています。先日東松島市の種まきの様子をレポートしましたが、仙台市若林区荒浜、名取市の綿花農場でもすでに種まき、定植を終え、順調に育っています。

名取市は仙台市の南部、沿岸に位置しています。大きな津波被害を受けた仙台空港、閖上地区も名取市内です。沿岸地域の復興は徐々に進み、商業施設や住宅も増え、街並みが整備されています。今年の3月には仙台東部道路の名取中央スマートインターチェンジ(IC)が開通しました。
名取市の綿花畑は、その名取スマートICにもほど近く、耕谷アグリサービスという地元の農業生産法人が管理しています。こちらの綿花栽培の担当者は、佐々木和也さん。毎年研究を重ね、年々収穫量を増やすことに貢献してくれる、もはや東北コットン栽培部門の顔ともいうべき存在です。収穫時期から逆算して、開花は7月上旬、そのために定植、種まきの時期を決めて栽培。わたしたちが訪れた7月10日、ちょうど花が咲き始め、順調に育っているようです。今年はさらに新しい実験もしているとのこと。

「今年試しているのは、芯止めの時期を変えることですね。かなり早い段階で茎を切ると、脇芽が増えて木が横に広がる。そうすると実も多くつくのではないかと思って」(佐々木さん)
芯止めとは、ひとつの茎だけでなく他の部分の成長も促すようにする手入れのこと。植物は上に成長していきますが、上に伸ばさずに横の枝を増やすとその枝にたくさん実も付く、ということですね。2節目でカット、3節目でカット、というように7節くらいまで、数本ずつ実験しているとのことです。

そのほか、畝の間に麦をまいて雑草を抑える工夫も。麦は芽が出るのが早くて、ほかの雑草が育つ前に成長し、穂が出ると枯れるそうです。枯れたらすき込めば肥料にもなる、と自然を生かした方法も行っています。
「いい意味で、さぼろうと思うんですよ」と、佐々木さん。手をかけず、コスト下げて、収穫を増やす。持続していくためのチャレンジが、今日も続いています。