活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

荒浜農場収穫

2017.10.28

東北コットンプロジェクト、2017年の収穫が始まりました!

今年いちばんに収穫祭を行ったのは、仙台市沿岸部の荒浜農場です。昨年荒浜ではこれまででもっともよく育ち、津波被害から回復した畑に白い綿が広がる、うれしい光景がみられました。さらに栽培を軌道にのせるべく、今年は面積を少し広げて栽培をしていました。
しかしこの夏から秋にかけて仙台では、36日間連続の雨に、季節外れの台風という農作物に過酷な天候が続きました。綿花もその影響で、10月末の段階で開いているのは半分以下、といったところでした。それでも木には大きなコットンボールがたっぶりついていて、これから冬にかけて徐々に開くのを楽しみに待ちたいものです。

収穫祭には、震災以来交流を続け、すっかりおなじみになった仙台市立南吉成中学校の1年生がお手伝いにやってきました。毎年あたらしい学年が来るので、綿が実ったところを見るのは初めて。ふわふわの綿に歓声をあげ、畑じゅうにちらばって、開いている綿をくまなく摘んでいきました。長雨続きでぬかるんでいるところもあり、長靴が埋まって抜けなくなったり、カエルやバッタを見つけて大騒ぎしたりとにぎやかです。「なるべく葉やゴミを取り除いて」という注意に、綿のカゴのまわりに輪になって、無心にゴミをとっている子たちも。夏の草取り、収穫は、子どもたちの記憶に残る体験だったことでしょう。

作業の後は、荒浜の農家さんたちが用意してくれた豚汁とみそおにぎりの昼食です。お米は新米、里芋、ねぎ、ごぼう、人参など、荒浜で獲れたものがたっぷりはいった豚汁は、格別の美味しさ!午前中がんばった中学生たちの食欲は旺盛で、競うようにおかわりしていましたよ。

畑を運営する「荒浜アグリパートナーズ」は、綿花栽培をきっかけに農業生産法人を立ち上げ、今では22 ヘクタールの農地で稲作のほか、大豆、ねぎを中心とした多品種の野菜を作っています。うかがったときは稲刈りの済んだ田んぼを耕して、麦をまいているところでした。米のあとに麦を育てる、二毛作です。津波を受け何もなくなったところから、地域の農業が復活しています。綿花も復興のシンボルとして、荒浜の地で実りを続けていきます。

テキスト 宮川真紀・写真 中野幸英