活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

2014年東松島収穫祭

2014.11.29

2014年の収穫祭、最後に行われたのは東松島農場です。
昨年から栽培を開始した東松島は、2回目の収穫です。広い農場には用排水路が整備され、きちんと手入れされた綿の木が整然と並び、より畑らしくなっていました。

当日は、朝から冷たい雨がしとしと降るあいにくの天気。午前中に行う予定だった畑の綿摘みは急きょとりやめ、イーストファームみやぎのビニールハウスで栽培している綿花の摘み取り体験をすることになりました。大勢の参加者が、バスや車でハウスのある美里町へ。2棟のハウス内の綿花は、たっぷりと実を付け、綿がこんもりとふくらんでいます。綿摘みは初めてという参加者が多く「すごい!」「ふわふわ!」と歓声があがりました。ハウスの中だけで綿木の数が少ないので子どもたちが優先となり、もっと摘みたいという声も。やっぱり綿の収穫は感激しますよね!

収穫祭は、綿摘みのほかアトラクションや屋台も大きな楽しみです。昨年も賑やかに行われましたが、今年はさらに地元の方々によるたくさんのブースが並びました。ミニ屋台コーナーでは、コロッケやギョウザ、玉こんにゃく、じゃがバターなどが、100円均一。美里町のしいたけやしそを使ったドレッシング、大崎市の飲食店の餃子パンや、涌谷町で栽培したラベンダーのポプリなどさまざまな物産は、地域の産業を知るきっかけになります。

ボランティアによる糸紡ぎ体験も、収穫祭ではすっかりおなじみになりました。石巻で手紡ぎ織りをする織りやさんも昨年同様糸紡ぎ機を持って来ていただき、糸紡ぎコーナーができあがっていました。
ステージでは、地元美里町の和太鼓演奏、ジャズバンドの演奏、演歌の熱唱、さらにカラオケタイムではイーストファームみやぎの赤坂さんも登場、美声を披露していましたよ。

同じ東松島市からは、「小野駅前郷プロジェクト」が出店していました。ここは甚大な被害を受けた沿岸部野蒜地区近くにある小野駅前応急仮設住宅の方々によるプロジェクトで、「おのくん」人形を販売しています。おのくんは、靴下で作るサルのぬいぐるみ「ソックモンキー」で、仮設住宅のお母さんたちの手作りによるものです。20人ほどのメンバーが交代で集会所に集まって作っているそうですが、できるのはひとり1日5~6体ほど、作ってもすぐに売れてしまう、という人気者です。東北コットンプロジェクトと縁が出来て、おのくんと、東松島のもうひとつの名物航空自衛隊のブルーインパルスをあしらったTシャツが販売になりました。東松島の綿が、東松島の復興とこんなかたちで結びつきました。

収穫祭も終わりに近づいた頃、雨があがり日が差してきました。そこで、開いている綿花を見てもらおうとビニールハウスから移してきた綿の摘み取り体験を行うことになりました。空の下での収穫は格別で、参加のみなさんの笑顔もひときわ輝いていました。畑でこんな収穫ができれば…と思いますが、5月24日に種まきした農場の綿花はまだほとんど開かず、6月5日にまいたハウス内の綿はこぼれんばかりという姿に、気温の影響の大きさも実感します。

この日は家族連れ、子どもたちの姿を多く見かけましたが、すぐ近くにある大塩小学校の子どもたちがたくさん来ていました。学校にお知らせが入って来てみたとのことですが「近くでこんなことをしているなんて知らなかった」「こんなに楽しいならまた来たいです」と、楽しんでくれた様子です。東松島の綿花が、多くの人々の心に刻まれたことを感じた収穫祭でした。