活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

2016年荒浜収穫

2016.11.06

仙台・荒浜でも、綿の実がはじけました!

宮城県沿岸部、仙台市若林区荒浜で綿の種をまいてから5年8ヶ月。待ち望んでいた、白い綿が連なる光景がそこに広がっていました。津波で何もかも流された土地で、被災した方々がなじみのない植物を育てることは困難を極めました。台風、長雨による冠水、猛威を振るう雑草に阻まれ、なかなかうまく育ちません。それでもあきらめず、試行錯誤しながら栽培を続けてきた苦労が、ようやく実りました。

約20アールの畑には、枝につく数も大きさも、名取に負けないくらいの綿が並んでいます。収穫は、震災以来交流を続けている南吉成中学校の中学1年生がお手伝いに。「ふわふわ!」「部活より楽しい!」とはしゃぎながら、次々と綿を集めます。まだ開いていないコットンボールは、ビニールハウスの中で乾燥させるために切り取って集めました。

荒浜では本業の米や大豆、野菜の生産を軌道に乗せるため、綿花栽培はシンボル的に小規模で行う方針でした。そのため綿花担当の佐藤さんは本業の合間、会社の定休日に綿花の作業をしているそうです。休日返上で草取り、剪定などに手をかけていただいた結果の実りなんですね。
佐藤さんに収穫の目標を聞くと、「60キロは行きたいですね。それくらい行けば会社としても続けていけるので」とのこと。この日の収穫を測ってみると、約28キロでした。なんとか目標に達することを祈りましょう!

以前担当で今はお手伝いとして関わっているキダジイこと貴田さんは、草取りや小中学校とのパイプ役として荒浜の綿花を支えています。前日は、南小泉小学校のバザーで農作物や東北コットン製品を販売だったそうで、「子どもたちががんばってくれて完売したんだよ」とうれしそうでした。震災ボランティアさんなどとつながり、各地で綿花を植える活動をしているそうです。キダジイの笑顔は、みんなを元気にしてくれますね!

綿花栽培をきっかけに、農業の再生を目指して結成された農業生産法人荒浜アグリパートナーズは、今年は米の貯蔵、脱穀、精米まで行う設備を導入、着々と本格的な営農をすすめています。米、大豆はじめ野菜の生産も増え、忙しい日々を送っています。人数も増え役員3人社員5人となり、会社として発展しています。

まわりを見渡すと、土地のかさ上げなど復旧工事が進んでいます。あの何もなかった地に田んぼや畑が広がり、綿が実り、たくさんの笑顔が広がりました。来年はきっと、もっと。荒浜は前に進み続けています。